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第21回・忘れ物の確率

あなたならどうする?

サラリーマンのPさんは5回に1回の割合で忘れ物をするくせがあります。 ある日,A社,B社,C社の3軒の得意先を順にまわりました。その後,何と4軒目のD社に渡すように課長から頼まれていた重要書類 の入った封筒をどこかに忘れてきたことに気づいたのです。 「げげっ! どうしよう。また課長に大目玉をくらってしまう!」 Pさんは動揺しています。あなたならこの後どうしますか? しかし,ここはあわてずに,冷静になって,どこに忘れてきた確率がいちばん高いかを数学的に考えてみてから対処することにしましょう。

まず,「5回に1回の割合で忘れ物をする」ということは,「1回の訪問で忘れ物をする確率が1/5 である」ということになります。

つまり,Pさんがシャキッとしていて忘れ物などしない精神状態であることを という絵で,ボーっとしていて必ず忘れ物をする状態であることを という絵で表すことにすると,Pさんがある会社を訪問したときに忘れ物をするかしないかは,右の図のようなルーレットを回した結果によると考えられるのです。

仮にこれを「Pさんルーレット」と名付けることにします。
のように区別すると,3つの会社において,Pさんがどんな精神状態だったのかを表す場合の数は,全部で5×5×5=125(通り)考えられることになりますが,「忘れ物をした」ことは分かっているので,次のページのように考えればよいことになります。

まず,Pさんがどこかの会社に書類を忘れる場合の数を求めてみましょう。

① A社に忘れるということは,「Pさんルーレット」の結果が次のようになることと同じになります。
「A社では が出て,B社,C社では何でもよい。」
なぜ,B社,C社では何でもよいかというと,A社ですでに重要書類を忘れてきてしまっているので,B社,C社では忘れるべき重要書類はすでに持っていません。だから,どんな精神状態であろうと関係ないわけです。
よって,A社に忘れる場合の数は,1×5×5=25(通り)になります。
② B社に忘れるということは,「Pさんルーレット」の結果が次のようになることと同じになります。
「A社では のどれかが出て,B社では が出る。C社では何でもよい。」
なぜC社では何でもよいかは①のときと同様で,B社ですでに重要書類を忘れてきてしまっているので,C社では忘れるべき重要書類はすでに持っていないからということになります。
よって,B社に忘れる場合の数は,4×1×5=20(通り)になります。
③ C社に忘れるということは,「Pさんルーレット」の結果が次のようになることと同じになります。
「A社,B社ではともに のどれかが出て,C社では が出る。」
よって,C社に忘れる場合の数は,4×4×1=16(通り)になります。

ですから・・・・
①,②,③の場合をたして,どこかの会社に書類を忘れる場合の数は,25+20+16=61(通り)になります。したがって,Pさんが書類を忘れたことに気づいたとき,A社,B社,C社に忘れている確率はそれぞれ,
A社……25/61  25 B社……20/61  C社……16/61
となるので,A社に忘れている確率がいちばん高いということになります。

現実的には忘れ物をする原因はいろいろあって,なかなかこのようにうまく計算できないものですが,Pさんのような忘れぐせのある方は,忘れ物を探すときには,最初に立ち寄ったところに戻ってみるといいかもしれませんね。

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